白内障―この言葉を聞いたことがある方は多いと思います。
目の中には、カメラと同様に『レンズ』があるのですが、
このレンズ(別名『水晶体』といいます。)が加齢とともに濁ってくるのが、白内障です。
(『目の構造』の②水晶体をご参照ください。)
白内障の症状で、一番多く見られるのが、目のかすみです。
下の図のように、目の中のレンズが濁っているので、いくらメガネの度数を換えてもスッキリ見えなくなります。
その他、まぶしい、近視が強くなる、ものが二重三重に見える、などがあります。
白内障を治すには、手術しかありません。
えっ、いきなり手術!?と思う方もいらっしゃるかもしれません。
でもびっくりしないでください。
確かに白内障は誰しもに出てくる病気ですが、手術まで必要になるのはその中の一部の方です。
まず、メガネをかけて(矯正視力で)1.0以上見えている方は、特別な場合を除いて、すぐに手術は必要ないでしょう。
さらに1.0見えていなくても、日常生活やお仕事に不便がなければ、経過観察のみでも問題ありません。
例えば同じ矯正視力(0.7)の方がいらっしゃるとして、
よく運転する方の場合は安全の意味でもそろそろ手術を考えたほうがいいと思います。
また一方で、家の中やご近所など活動範囲が狭い方で、それほど不自由を感じない場合は、まだ手術しなくてもよいでしょう。
つまり、その方のライフスタイルによって、手術が必要かどうかは違ってくるのです。
ただし、白内障もかなり進行すると、手術の方法が難しくなったり、思うように術後の視力が回復しないことがあります。
また、『見えにくい』原因が白内障だけでなく、目の奥などの他の部分に隠れているかもしれません。
まずは一度、しっかり目の診察をして、今の状態をチェックしてみましょう。
症状、視力、白内障の状態、そしてみなさんのご希望に沿って、方針を考えていきます。
