緑内障とは、眼圧(目の圧力)が視神経(目の奥にある神経)を圧迫するため視神経が傷んでしまい、
知らず知らずのうちに視野が狭くなったり、欠けてしまう病気です。
緑内障のうちで最も多い、原発開放隅角緑内障の治療はどのように行うのでしょうか。
上でも述べた通り、緑内障が進行してしまう第一の原因は眼圧ですから、
まずは眼圧を下げる治療が必要となります。
じゃあもともと眼圧が正常範囲(21mmHg以下)の正常眼圧緑内障の治療はどうするの?
とお考えの方もいらっしゃるでしょう。
正常眼圧緑内障の患者さんでも、少しでも眼圧を下げることで、進行を防ぐことができるのです。
眼圧を下げる方法としては、点眼治療が中心となります。
緑内障の点眼には、さまざまな機序で眼圧を下げるものがあるので、
それらのうち1種類または複数を組み合わせて処方します。
そして、受診されるごとに眼圧を測定し、眼圧が低く保たれていればそのままの点眼で、
眼圧があまり下がっていない場合には、点眼の変更や追加を考えていきます。
また、定期的に視野検査を行い、視野の進行があるようなら、やはり点眼の変更・追加が必要となるでしょう。
いろいろな種類の点眼を使っても、どうしても眼圧がうまく下がらないときや
視野が進行してしまうときには、手術を考えます。
ただし、この手術も『眼圧を下げる手術』であって、『緑内障を治して視野が良くなる手術』ではありません。
一度視神経が傷ついて、見えなくなってしまった部分の視野は、
残念ながら現在のところではどんな治療をしても元に戻ることはありません。
そして緑内障の治療は一旦点眼で眼圧が下がったから大丈夫!というわけではないのです。
視野をこれ以上進行させず、今の見え方を保つために、定期的な眼圧や視野検査を行い、
適切な治療を続けていくことが重要なのです。
